信用組合(しんくみ)、信用金庫(しんきん)、銀行の違い

信用組合と信用金庫は似ているので、よく間違えられます。

それもそのはず、信用金庫は元々は信用組合から独立したもので、それには、1951年(昭和26年)の「信用金庫法」成立が一つの画期になります。

それまでの信用組合の位置づけを巡っては、2つの意見がありました。

(A)ひとつが、「市街地信用組合が中心となって培ってきた信用組織を発展させ、金融機関の要素を盛り込んだ信用組織の維持、すなわち、より金融事業に配慮すべき」という意見です。

(B)もう一つは「相互扶助の精神により、協同して事業を行うことを根本精神とする信用組合が必要で、信用協同組合は中小商工業者が寄り合って行う自分たちの金融であり、信用できるもの同士が相互に融通し合い、事業者の自由意志と人格、民主的に運営する能力を信頼すべき」という意見です。

その流れで、信用協同組合を2つに分けるという案が出され、(A)が「一定の地域を基盤としてその地域内での預金を受け入れに制限を設けず、組合員に貸付を行う、中小企業専門の金融機関」。すなわち「信用金庫」になりました。

そして(B)が、「個々の関係をより重視し、組合員だけの預金を扱い、お互いの顔見知り主義ということで十分実質上の信用ということは図り得るとされ、小規模事業者が十分持ち得ない担保力等を人の繋がりである組織でカバーしようとする金融機関」すなわち「信用組合」となりました。

こうして、昭和28年6月までの信用組合は、金融機関性を意識した信用金庫法上の信用金庫と、協同組織性を意識した中小企業等協同組合法上の信用組合に分かれることとなりました。ちなみに、全国653の信用組合のうち、560が信用金庫に改組しました。